騙されやすい高齢者【5つの心理的特徴】特殊詐欺の手口とは?

騙されやすい高齢者【5つの心理的特徴】特殊詐欺の手口とは? 心理

社会不安が大きくなると多くなるのが「詐欺」。

最近のコロナウイルス感染による不安から、特に高齢者が特殊詐欺にさらされることが増えています。

わかっているつもりでも詐欺にあってしまう人の特徴や心理を理解することで、未然に詐欺を防ぐことができるかもしれません。

今回は、詐欺にあってしまう高齢者の特性と、「特殊詐欺」とはどのようなものか。さらに詐欺にあわないための方法をお伝えしていきましょう。

騙される高齢者の特徴

騙される高齢者の特徴

騙されやすい高齢の人には、プライド・やさしさなど長年生きてきた信念があるがゆえの特徴や心理があります。よりくわしくお伝えしていきましょう。

1.自分は騙されないと考える

さまざまな経験をしてきた高齢の人。ある意味で「こわいものしらず」となっているがゆえに騙されやすいといえます。

歳を重ねることでもつプライド。「自分は騙されることはない」過信がある人ほど実は騙されやすいものです。

ものごとに対処するエネルギーが減退しているのも高齢者。

お金で解決できればと考えるため、言葉たくみに追い詰められればついつい支払ってしまう。特殊詐欺はそのような高齢者の心理をついているのです。

 

2.情報量が少ない

日常で接する情報量が限られているのも高齢者。詐欺情報にふれる機会がなければ、詐欺に気づくのも遅れてしまいます。

記憶にとどめておく能力が低下するのは、加齢においては避けられないためですね。

情報のやりとりが、なにかとネットに偏りがちな世の中。高齢になってからのスマホ操作は学びにくいもののひとつ。

高齢の人は「情報弱者」になりやすいため、詐欺にあう確率が高いといえるでしょう。

 

3.頼まれると断れない

押しに弱くて断れないのも高齢者です。NOをいえないのが日本人の気質的特徴。相手のペースにのまれて騙されてしまうこともあるでしょう。

相手を尊重する気持ちとはうらはらに、人に頼まれたら断りにくい心理があるからです。

相手がお金に困った状況をうまく演出するオレオレ詐欺。高齢者の「助けてあげよう」という心理を巧み利用しようとします。

 

4.まじめでお人よし

まじめな人ほど騙されやすい。人のよい高齢者でも、詐欺に遭遇したときは毅然と対処したいものです。

歳を重ねると「清い気持ちのまま人生をつらぬきたい」のが高齢者の心理。

そこにつけこむのが特殊詐欺です。

高齢者本人には悪気がないため容易に騙されてしまう。周囲の見守り、協力が必要となるでしょう。

 

5.さみしがり

大切な人との別れや体力の低下など、なにかと落ち込みがちなのが高齢の人。孤独のなかにあると、騙されやすくなります。

なにかにすがりたくなる心理。不安定な心理のもとでは、ふだんはしないような行動をすることも。

なにかと依存したくなるのも高齢者。詐欺のつけいるスキとなるでしょう。

 

特殊詐欺とは

特殊詐欺とは

出典:特殊詐欺とは 警視庁 – 東京都

特殊詐欺とはどのようなものでしょうか。下記の10類型に分類されます。

1.オレオレ詐欺

親族等を名乗り、「鞄を置き忘れた。小切手が入っていた。お金が必要だ」などと言って、現金をだまし取る(脅し取る)手口です。

 

2.預貯金詐欺

警察官、銀行協会職員等を名乗り、「あなたの口座が犯罪に利用されています。キャッシュカードの交換手続きが必要です」と言ったり、役所の職員等を名乗り、「医療費などの過払い金があります。こちらで手続きをするのでカードを取りに行きます」などと言って、暗証番号を聞き出しキャッシュカード等をだまし取る(脅し取る)手口です。

 

3.架空料金請求詐欺

有料サイトや消費料金等について、「未払いの料金があります。今日中に払わなければ裁判になります」などとメールやハガキ(封書)で知らせ、金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

 

4.還付金詐欺

医療費、税金、保険料等について、「還付金があるので手続きしてください」などと言って、被害者にATMを操作させ、被害者の口座から犯人の口座に送金させる手口です。

 

5.融資保証金詐欺

実際には融資しないのに、簡単に融資が受けられると信じ込ませ、融資を申し込んできた人に対し、「保証金が必要です」などと言って金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

 

6.金融商品詐欺

価値が全くない未公開株や高価な物品等について嘘の情報を教えて、購入すればもうかると信じ込ませ、その購入代金として金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

 

7.ギャンブル詐欺

「パチンコ打ち子募集」等と雑誌に掲載したり、メールを送りつけ、会員登録等を申し込んできた人に、登録料や情報料として支払わせて金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

 

8.交際あっせん詐欺

「女性紹介」等と雑誌に掲載したり、メールを送りつけ、女性の紹介を申し込んできた人に、会員登録料金や保証金として金銭等をだまし取る(脅し取る)手口です。

 

9.その他の特殊詐欺

上記の類型に該当しない特殊詐欺のことをいいます。

 

10.キャッシュカード詐欺盗(窃盗)

警察官や銀行協会、大手百貨店等の職員を名乗り、「キャッシュカードが不正に利用されているので使えないようにする」などと言って、隙を見てキャッシュカード等をすり替えて盗み取る手口です。

 

騙されない人になるために

騙されない人になるために

高齢者が特殊詐欺に騙されないために気をつけること3つをあげてみましょう。本人だけでは解決できないことも……。周りのサポートが必要です。

  1. 本人の変化に周囲が気づく
  2. 詐欺の手口を知る
  3. 不安が大きいと騙されやすい

1.本人の変化に周囲が気づく

騙されやすい人とは、自分の考えに執着していたり、思考停止していたりしているときです。

高齢者にとって情報が正しいかどうか、なかなか判断がつかないこともあるかもしれません。

ふだんとは違う本人の様子を、周りの人が気づければよいのですが……。難しいところですね。

巧妙化している特殊詐欺。むしろ金融機関やコンビニの従業員が気づいて、未然に防ぐことが増えています。

 

2.詐欺の手口を知る

詐欺の手口について、できる限り情報に接しておきましょう。

高齢者向けの啓発は各所でおこなわれています。

騙される状況が少しでも理解できれば、未然に防げるかもしれません。

電話の対応がポイント。限られた人のみと電話のやりとりとなるよう、ご家族含めて環境をととのえてみるのもよいです。

 

3.不安が大きいと騙されやすい

不安な状況をできるだけ改善できるよう努めてみること。

高齢者がモノを買う心理とは実用というよりは不安の解消である場合もあるからです。

「いい人そう」と感じさせるのも詐欺の手口。騙されやすい高齢者は、話す雰囲気や見た目で人を判断しがち。

不安の解消行動そのもので詐欺にかかる可能性もあることを認識しましょう。

 

騙されやすい高齢者の心理まとめ

高齢者ゆえの騙されやすい特徴や心理があります。特殊詐欺の内容や対策などもお伝えしてきました。

  • 自分は騙されない思い込みや、押しに弱くて断れない日本人気質も背景にあります。
  • さまざまなことに対処できるエネルギーに限度があること、不安などのさみしさの心理は高齢者の特徴。
  • 本人だけでは解決が難しいこともあり、周囲の見守りサポートが必要。詐欺の手口を知ることや、できるかぎり日常的な不安を解消していくことがカギとなるでしょう。

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