アクセプタンス&コミットメントセラピーから考えるマインドフルネス

アクセプタンス&コミットメントセラピーから考えるマインドフルネス 心理職向け

クセプタンス&コミットメントセラピー(ACT:Acceptance and Commitment Therapy)は、心理的柔軟性を高める治療的アプローチです。ACTは、アクセプタンスとマインドフルネスおよびコミットメントと行動変容のプロセスをつかって、個人の「心理的柔軟性」を促進します。

特定の問題や枠にとらわれずに、幅広い介入パッケージを提供できるのがACTのアプローチ。個々のクライエントの状況やニーズに合わせて柔軟に適用できる汎用性があります。

今回は、アクセプタンス&コミットメントセラピーの概要、ACTからみたマインドフルネス療法の課題を、公認心理師など心理職のかた向けにわかりやすくお伝えしていきましょう!

 

  1. アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)とは
  2. 「FEAR」から「ACT」への移行をめざす
    1. FEARのネガティブ要素
      1. 1.フュージョン(Fusion)
      2. 2.評価(Evaluation)
      3. 3.回避(Avoidance)
      4. 4. 理由づけ(Reason Giving)
    2. ACTのポジティブ要素
      1. 1. 受容(Acceptance)
      2. 2.選択(Choose)
      3. 3.行動(Take Action)
  3. アクセプタンス&コミットメントセラピーがもたらす心理的柔軟性
  4. 心理的柔軟性を促進させる6つの要素
    1. 1.アクセプタンス(Acceptance)
    2. 2.脱フュージョン(Defusion)
    3. 3.「今、この瞬間」との接触(Contact with the Present Moment)
    4. 4.文脈としての自己(Self-as-Context)
    5. 5.価値(Values)
    6. 6.コミットされた行為(Committed Action)
  5. アクセプタンス&コミットメントセラピーからみたマインドフルネスの問題点
  6. マインドフルネスを提供するセラピストの対応
    1. マインドフルネスってなに?
      1. 1.言葉よりも実践を重視する
      2. 2.具体的なニーズに焦点をあてる
      3. 3.実践を促進する
      4. 4.セッションでの体験を重視する
      5. 5.クライアントの言葉を尊重する
    2. マインドフルネスってなんか怪しい
      1. 1.反応の理由を理解する
      2. 2.尊重と共感をしめす
      3. 3.誤解を解消する
      4. 4.新しいアプローチを提案する
      5. 5.フィードバックを求める
    3. マインドフルネスって、ただリラックスするための手段?
      1. 1.注意力を鍛える方法
      2. 2.グラウンディングやセンタリングの方法
      3. 3.アクセプタンスを促進するための方法
      4. 4.セルフ・コンパッションの要素
      5. 5.ホメオスタシスのための方法
    4. 呼吸に意識を集中できない
      1. 1.適切な代替手段を提供する
      2. 2.クライエントのニーズに合わせて調整する
      3. 3.クライエントに「気付き」の重要性を説明する
      4. 4.自己調整できる時間に配慮する
    5. マインドフルネスと没頭はちがう?
  7. ACTからみたマインドフルネス まとめ
  8. 参考文献

アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)とは

アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)とは

ACTは心理的柔軟性を促進するための治療的アプローチであり、アクセプタンス、マインドフルネス、コミットメント、行動変容のプロセスを活用しています。

ACTの技法は、伝統的な行動療法や認知行動療法に限りません。体験的セラピー、ゲシュタルト療法、さらにはマインドフルネスや禅宗などの枠外の伝統からも影響を受けています。これらの技法を統合し、哲学的および科学的なフレームワークのもとで機能するのがACTです。

ACTは、個々のクライエントの問題解決に向けたプランニング(ケース・フォーミュレーション)にもとづいて、特定の技法や介入を選択します。
ひとつの治療手法にとらわれず、幅広い問題に対処するため、柔軟にアプローチできるのがACTです。

 

「FEAR」から「ACT」への移行をめざす

ACTのセラピーでは、まず「FEAR」から「ACT」への移行をめざします。

FEARとは、クライエント自身の「とらわれ」である4要素の頭文字をとったものです。

適切な思考と行動である3要素の頭文字、ACTを習得しながら、クライエントが実効性のない生きかたにおちいるプロセスを変えていきます。

それぞれの要素をみてみましょう。

FEARのネガティブ要素

1.フュージョン(Fusion)

健全な心理的柔軟性を妨げる思考への執着。特定の思考や感情にとらわれ、過度に執着すると、現在の体験や他の可能性にアクセスできなくなります。

 

2.評価(Evaluation)

自己や他者、経験に対する否定的な「評価」です。過剰な自己批判や他者への非難、状況へのネガティブな評価が含まれます。

 

3.回避(Avoidance)

感情や思考、困難な状況からの「逃げ」です。問題に直面する代わりに、それらを回避したり無視したりします。

 

4. 理由づけ(Reason Giving)

実効性のない行動を正当化するため、論理的な「いいわけ」を作り出す心理的状況です。その結果、問題を解決するための実際的な行動が取られなくなります。

 

ACTのポジティブ要素

1. 受容(Acceptance)

現在の私的体験や外的なできごとをそのまま受け入れる受容力。思考や感情に対して抵抗するのではなく、受け容れます。

 

2.選択(Choose)

自分の価値や目標にもとづいて、意味のある方向性を選択します。自分にとって重要な目的に焦点を当てる積極的な思考です。

 

3.行動(Take Action)

選択した方向に向う、一致(コミット)した一貫的行動。目標に向かって積極的に行動していきながら、自分の人生を変えていきます。

 

アクセプタンス&コミットメントセラピーがもたらす心理的柔軟性

アクセプタンス&コミットメントセラピーがもたらす心理的柔軟性

心理的柔軟性は、ACTの核心的な概念です。さまざまな心理的プロセスを統合し、個人が柔軟に状況に対処し、意図的な行動を選択する能力が「心理的柔軟性」です。

具体的には、以下の質問に対する肯定的な答えが心理的柔軟性をあらわします。

  • 自分自身と心理的な内容を区別し、それをあるがままに受け入れられますか? (アクセプタンス)
  • 現在の状況に全面的に関わり、構えずに体験できますか? (マインドフルネス)
  • みずからが選んだ価値にもとづいて行動し、その価値判断にコミットできますか? (コミットメント)

以上のプロセスは、心理的な柔軟性を高め、個人が意図した目標に向かって行動するのに役立ちます。心理的柔軟性が高い人は、ストレスや葛藤により効果的に対処し、より豊かで充実した人生を送れるでしょう。

 

心理的柔軟性を促進させる6つの要素

心理的柔軟性を促進させる6つの要素

心理的柔軟性を促進するためのACTプロセスは、6つの要素で構成されています。

6つのプロセスは、治療のなかで相互に結びつき、クライエントのセラピーゴールに向けて進むための基盤になる要素です。

  1. アクセプタンス(Acceptance)
  2. 脱フュージョン(Defusion)
  3. 「今、この瞬間」との接触(Contact with the Present Moment)
  4. 文脈としての自己(Self-as-Context)
  5. 価値(Values)
  6. コミットされた行為(Committed Action)

1.アクセプタンス(Acceptance)

クライエントの感情や私的体験を受け入れ、それらに対して抵抗せずに受け入れるのがアクセプタンス。感情のコントロールや回避のパターンを和らげ、より柔軟な対処を可能にします。

アクセプタンスは、ただの忍耐や服従ではありません。受容的でありながらも受け身ではない積極的なスタンスをとります。

スキル習得には、おもに体験的なセラピーがもちいられるでしょう。段階的にアクセプタンスの過程を学びます。
クライエント自身の自己判断をあえて避けつつ、あるがままの自分の思考や感情を受け入れるのがアクセプタンスです。

 

2.脱フュージョン(Defusion)

頭のなかの思考は現実ではありません。言語や思考と私的体験との結びつきを弱め、不要な思考・評価を単なる言語のできごととしてあつかうのが「脱フュージョン」です。

フュージョンからの距離をとると、クライエントは自分の思考にとらわれずに、より人生を自由に行動できるでしょう。

抑うつ的な思考は自己観を脅かしますが、それは現実ではない概念化された自己観にすぎません。

過去の経験や因果関係、現在の行動を包括するストーリーを見直すと、現実の景色が変わる感覚です。言語の性質を理解し、内的事象を客観的にとらえる方法がわかります。

 

3.「今、この瞬間」との接触(Contact with the Present Moment)

クライエントが現在の体験に全面的に接触し、いまこの瞬間に生きる心の修正。

過去や未来への意識の過剰な関与を減らし、瞬間への集中が、クライエントの心理的な柔軟性を向上させます。

ACTでは、クライエント本人が「現在に存在する」意識を重要視します。このプロセスには、2つの特徴があります。

  1. 観察と気付きの訓練: クライエントは、環境や自分の感情、思考などの私的体験を観察し、そこに存在するものに気付くよう訓練されます。
  2. ラベリングと描写の学習: 過度な判断や評価を避けながら、クライエントは自分の体験にラベルをつける描写を学びます。

あえて避けていた瞬間を目のあたりにする、認知行動的な暴露(エクスポージャー)技法がつかわれる場合もあるでしょう。ただし、感情の軽減が目的ではなく、あくまで活力や心理的柔軟性を高める成長の機会ととらえます。
クライエントは自己の「今、ここ」の視点から事象に接触し、自己の自覚を高めます。

現在に進んで接触する意義を理解し、成長や変化を感じるでしょう。

 

4.文脈としての自己(Self-as-Context)

クライエントが私的体験や自己概念を客観的な文脈として見られるよう支援します。「文脈」とは、自己や経験を自分の外側にあるものとしてとらえ、客観的に理解する俯瞰的な視点です。

概念化された過剰なフュージョンを避けつつ、自己体験との接触を意識的に増やしながら、「文脈としての自己観」を構築します。

文脈としての自己観は、「今、ここ」の視点から事象を体験し言語化されたもの。大切なのは「今、ここ」は単なるモノやコトではなく、体験者が常にそのなかにいる視点です。

超越的な自己観は、言語を通じて構築され、脱フュージョンやマインドフルネスのプロセスを通じて到達できます。
文脈としての自己観はアクセプタンスの基盤となります。

 

5.価値(Values)

人生の価値や意味を行動の指針とします。価値にもとづいた行動は、クライエントの理想を具体化するでしょう。

価値とは、人生の効果的なパターンを構築するための方向性、羅針盤のような役割。

キャリアや家族、親密な関係など、さまざまな領域で墓碑に刻まれるべき言葉、日誌に自分の生きた証を記すなどの手法で価値をとらえます。クライエントは「価値」をもとに特定のゴール、具体的な行動を設定していけるでしょう。

行動の過程ではさまざまな困難にであう可能性はさけられません。ただし、この困難とは心理的なものです。アクセプタンスや脱フュージョンなどの要素で乗り越えていくようにします。

 

6.コミットされた行為(Committed Action)

自己の価値ある生きかたに沿ったゴールを設定し、ゴールにもとづいた行動するのを「コミットメント」といいます。

心理的な困難を予測して、対処しつつ、ゴールに向かってコミットメントされた行動パターンを繰り返していくのが「コミットされた行為」です。

もしコミットメントが放棄されれば、クライエントはその選択に責任を持ち、結果として生じるパターンを見直し、プラスとなる方向に機能するようコミットし直します。
コミットメントされた行為を通じて、クライエントみずからが行動を変容させ、自己の価値や目標にもとづくよりよい人生を実現するのがACTの支援です。

ACTプロセスの6要素は、治療のなかで相互に影響し合い、クライエントの心理的柔軟性や幸福感の向上を促進します。また、セラピストはクライエントの個々のニーズや状況に応じて、これらのプロセスを適切に組み合わせてつかう必要があります。

 

アクセプタンス&コミットメントセラピーからみたマインドフルネスの問題点

マインドフルネスは、あくまでACT(Acceptance and Commitment Therapy)の一部にすぎません。

マインドフルネスの定義はACTや他の研究でも統一されておらず、複数のモデルが存在します。

一般的には、マインドフルネスは脱フュージョン、アクセプタンス、文脈としての自己、そして「今、この瞬間」との接触の4つのスキルを指しますが、一部の文献では「今、この瞬間」との接触だけを指す場合もあるようです。

セラピーの現場では「マインドフルネス」がハマらないケースが多くみられます。

 

マインドフルネスを提供するセラピストの対応

マインドフルネスを提供するセラピストの対応

「マインドフルネス」の言葉は、さまざまな意味を持ち、混乱を招くケースがあります。特に、人々がその意味を異なる文脈でつかうため、さらに混乱が生じる場合もあります。

ここでは、クライエントが「マインドフルネス」に接したときの反応と、セラピストの対処法をまとめてみました。

マインドフルネスってなに?

クライアントにマインドフルネスを紹介するときには、まず「マインドフルネス」の言葉よりも、マインドフルネスの実践がどのように役立つかに焦点をあてます。
マインドフルネスは瞑想だけではなく、日常生活の心理的スキルとして理解されるべきでしょう。

クライアントが抱える具体的な問題やニーズに焦点をあて、マインドフルネスがその問題に対処するのにどのように役立つかを説明します。

クライアントがストレスや不安に苦しんでいる場合、マインドフルネスのスキルをつかってストレスや不安を軽減し、より健康的な対処方法を見つけられると説明します。

「マインドフルネス」とはなにかを相手に説明する場合、以下のポイントに注意してください。

1.言葉よりも実践を重視する

「マインドフルネス」の言葉だけでなく、その実践がクライアントの問題解決や目標達成にどのように役立つかを説明します。

 

2.具体的なニーズに焦点をあてる

クライアントが抱える具体的な問題やニーズにマインドフルネスがどのように対処するのかしめします。

 

3.実践を促進する

クライアントがマインドフルネスを実践するための具体的な方法や場面を共有し、実際に試してみるよう促します。

 

4.セッションでの体験を重視する

セッションでマインドフルネスのスキルを体験させ、利点や効果を実感してもらえると、クライアントの関心や理解を深めます。

 

5.クライアントの言葉を尊重する

クライアントがマインドフルネスを瞑想としてとらえていない場合は、その考えかたやニーズにあった言葉やアプローチをします

 

マインドフルネスってなんか怪しい

クライエントがマインドフルネスの言葉にネガティブな反応をしめした場合、まずはその反応を尊重し、その背後にある理由の探求が重要です。その後、以下のステップを踏むと対応ができます。

1.反応の理由を理解する

クライエントがなぜマインドフルネスに対してネガティブな反応をしめしているのかを理解します。過去のマインドフルネスの経験や、マインドフルネスに関する誤解、または個人的な信念や価値観などが含まれる可能性があります。

 

2.尊重と共感をしめす

クライエントの感情や意見を尊重し共感をしめします。クライエントがネガティブな感情を抱いている理由を理解して受け入れましょう。

 

3.誤解を解消する

クライエントがマインドフルネスに関する誤解を抱いている場合は、誤解を解消するために努力します。マインドフルネスが瞑想や宗教的な実践に限らず、日常生活の実践としても有用である説明を試みます。

 

4.新しいアプローチを提案する

クライエントとの対話を通じて、新しいアプローチやマインドフルネスの実践方法を提案してみましょう。クライエントが以前のマインドフルネスの経験から学んだ知識を考慮しながら、より適切なアプローチを見つける視点が大切です。

 

5.フィードバックを求める

クライエントに新しいアプローチや提案に対するフィードバックを求め尊重します。クライエントが自分に合ったアプローチを見つけるためには、セラピストとの意見交換は不可欠です。

 

マインドフルネスって、ただリラックスするための手段?

マインドフルネス呼吸法は、通常のリラクセーション・テクニックとは異なります。ACTの観点からは、マインドフルネス呼吸法はおもに以下の目的でつかわれます。

1.注意力を鍛える方法

呼吸に焦点をあてて、注意力や集中力を高めるトレーニングをします。注意散漫や不安障害などの問題を抱える人々に特に有効です。

 

2.グラウンディングやセンタリングの方法

呼吸を通じて、気持ちを落ち着かせ、内なる安定感を得られます。

 

3.アクセプタンスを促進するための方法

現在の気持ちや感情を受け入れる、ひとつの手段が呼吸法です。

 

4.セルフ・コンパッションの要素

自分自身に対するやさしさや同情心を促進し、自己受容を高める手段として利用されます。

 

5.ホメオスタシスのための方法

過度な呼吸を正常に戻し、身体のホメオスタシスを維持する手段となります。

 

以上の目的によってマインドフルネス呼吸法は特徴付けられます。もちろんマインドフルネス呼吸法を実践すればリラクセーションの効果が得られますが、それはおもな目的ではありません。

また、マインドフルネス呼吸法は常にリラクゼーション効果をもたらすわけではなく、個々のクライアントやそのニーズによって異なります。

したがって、マインドフルネス呼吸法をおこなう際には、その目的やクライアントのニーズに対してリラクゼーション効果を持つかどうか確認する必要があるでしょう。

 

呼吸に意識を集中できない

ライエントが呼吸に注意を向けるとストレスレベルが上がる場合、以下の方法で対処できます

1.適切な代替手段を提供する

呼吸に注意を向けるのが苦手な場合、他のマインドフルネス・スキルや技法を導入します。

例えば、クライエントが見たり聞いたり触れたりできるものに注意を向ける、身体の感覚や動きに意識を向ける、あるいは活動に集中するなどの方法があります。

 

2.クライエントのニーズに合わせて調整する

すべてのクライエントがおなじ方法でマインドフルネスをおこなう必要はありません。クライエント個々のニーズや好みに応じて、エクササイズを調整し、柔軟に対応します。

 

3.クライエントに「気付き」の重要性を説明する

マインドフルネスは、自己認識や気付きを高める目的があります。クライエントの注意が逸れている、ストレスが高まっている状態への「気付き」自体が重要であり、気付いた事実を尊重するとよいでしょう。

 

4.自己調整できる時間に配慮する

クライエントに対し、自分自身の状態に応じてエクササイズを調整し、自己ケアできる時間がもてるよう配慮します。クライエントがストレスを感じている場合は、自分自身のペースで行動してもらうのが基本です。

クライエント中心のアプローチによって、クライエントが自分自身に対して柔軟で寛容な姿勢をもてるようになります。マインドフルネスをより効果的に取り入れられるでしょう。

 

マインドフルネスと没頭はちがう?

没頭とは、ある活動に完全に意識を集中している状態ですが、自意識に無自覚な場合も多く、むしろマインドレスな状態といえます。

例えば、映画を見ているときに映画のストーリーや演技に没頭するなどです。

一方、マインドフルネスは、ただ観察し、受け入れ、現在の状況すべてを受け入れるマインドフルな姿勢であり、没頭とはちがいます。

映画鑑賞でいえばスクリーンの状態、空調や音響、観客の様子など「いまここ」にある意識は、没頭とは別のところにあります。

没頭とマインドフルネスのちがいが理解できると、マインドレスな行動から抜け出し、より意識的な行動を選択できるかもしれません。

マインドレスにテレビを見ていた場合、マインドフルになると、行動を見直し、より有意義な活動に時間をつかえるようになるでしょう。

 

ACTからみたマインドフルネス まとめ

アクセプタンス&コミットメントセラピーの概要、マインドフルネスの進めかたをみてきました。

クライエントに対しては、具体的なスキルやテクニックの名前をつかうと、より明確に伝えられます。

クライエントにリラクセーション法や注意力トレーニング、ストレス管理の手法などを教える際には、それぞれの名前をつかっての説明が有効です。

エクササイズやワーク、テクニックの目的を明確にします。目的がなんであれ、どのようにセラピーゴールの達成に役立つのかをクライエントと共有できていれば、クライエント本人がセラピーの重要性を理解しやすくなるでしょう。

 

【お問い合わせ】

自己洞察瞑想療法(SIMT: Self Insight Meditation Therapy)

 

Post by @moto.mako
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参考文献

  • スティーブン・C・ヘイズ、カーク・D・ストローサル(著)「アクセプタンス&コミットメント・セラピー実践ガイド―ACT理論導入の臨床場面別アプローチ」明石書店 2014年
  • ラス・ハリス (著) 教えて! ラス・ハリス先生 ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)がわかるQ&A 星和書店 2020年

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