フェルトセンスとは|フォーカシングでわかる「なんとなく」の感覚

フェルトセンスとは 心理

んとなくモヤっとする。うつっぽい感じで身体が重い……。

さまざまな問題の根源にある、ある種の感覚は「フェルトセンス」かもしれません。

フェルトセンスを見いだす「フォーカシング」は、心理療法としてユージン・ジェンドリンが確立した手法。

一般にも心の問題をとらえやすい手法として広く普及し、近年も注目されています。

今回は、モヤっとする感覚を解消したいあなたへ、フェルトセンスとはなにかをわかりやすくお伝えしていきましょう。

フェルトセンスとはなに? フェルトセンスと会話するって? などあなたの疑問におこたえします!

フェルトセンスの意味

フェルトセンスの意味

「なんとなく」からだの内部に感じる、意味のある感覚がフェルトセンスです。

なかなか言葉では表現しにくい漠然とした感覚。これを探る方法が「フォーカシング」。意識をめぐらせて、からだの隅々にある感覚に焦点をあてます。

1.あなたの身体のなかにあるフェルトセンス

フェルトセンスは、喉や胸、胃のあたりといったからだの中心で感じるちょっとした違和感みたいなもの。

テーマを決めるとわかりやすいです。「嫌いな人を思い浮かべてみる」で感じるからだの変化をとらえてみましょう。

「なんか、肺のあたりがじわっと熱くなる」「下腹がギュッとしめつけられるような」といった言葉であらわされるのがフェルトセンスです。「頭に血がのぼる」「胸がしめつけられる」などの感情はフェルトセンスをとらえる手がかり。

フェルトセンスに問いかけて、そこに含まれる「意味」をとらえます。

 

2.普段フェルトセンスには気づかない

これまで長年にわたり気にとめていなかったフェルトセンス。フォーカシングを身につけてえられる感覚は、はじめとてもわかりにくいです。

フェルトセンスは、自身の問題解決のヒントがもたらされる魔法のような感覚。ただし、一朝一夕に習得される能力ではありません。

フォーカシングに関する書籍はたくさんあり、自分ひとりでもできなくはないですが、なかなか難しいです。

トレーナーについたり、ワークショップや講座を活用すると習得が確実になるでしょう。

フォーカシングの習得過程では、自分のなかにあるネガティブで、不都合な事実にも向き合わなければなりません。

フェルトセンスに目覚めるには、余裕をもちつつ、真剣にとりくむ姿勢が大切です。

 

フォーカシングとは

「フォーカシング」は1960年代、シカゴ大学の哲学者ユージン・ジェンドリンにて研究された、身体のなかにある「意味を含んだなにか」を探り当てる手法。

ジェンドリンは、その「なにか」をフェルトセンス(felt sense)と名付け、クライエントが「なにか」を言いよどみながらも表現しようとする過程に注目。

何百のケースを分析したところ、カウンセリングの効果とは、言いよどみながらも、核心を追い求めるクライエントほど、解決に近づくのを発見しました。

「働こうとするほど、なんとなくモヤっとして、黒いイメージが……胸苦しい感じで」

「自分の身体が消えていくような感覚。世の中のどこにも存在していないような」

探索ができる人は、やがて難しくみえる問題ひとつひとつをクリアしていきます。

身体のなかにある「なにか」を探索できる人が、その方法をできない人へ伝えていけるのではないか? と考えたのがフォーカシング。

定義づけが困難な「なんだかわからない感覚」をそのままフェルトセンスとよんでいます。

 

フォーカシングでフェルトセンスを探る

フォーカシングでフェルトセンスを探る

フォーカシングで感じとるフェルトセンス。具体的な手法をお伝えしていきましょう。

1.気になることを思い浮かべ、感覚を言葉にする

あなたの思考に応じて、「なにか」をからだに感じるのはどのあたり? 色やかたちで具体的にイメージして言葉にしてみましょう。

思い浮かべるだけではダメ。言葉にすると具現化できます。ネガティブやポジティブな感情がどんな感じかを探求してみましょう。

「ドロッとした赤いトマトみたいのがおなかのあたりにずっしりと溜まっているような」

「頭のてっぺんからつま先に、オレンジ色のあたたかい風が突き抜ける感じ」

しばらくは、思いつくかぎりの言葉で表現してみましょう。

 

2.言葉にした感覚はあなたにマッチする?

あなたが言葉にした感覚は、いま身体のなかにある「なにか」と一致するか、チェックしてみましょう。

視覚情報だけでなく、重さを感じたり、音がしたりする場合もあるかもしれません。「フェルトセンスはこういったもの」のはっきりした概念はないです。

「一か所にとどまらず、身体のあちこちを移動しているような……」

身体の感覚は一定でなく、探索すればするほどイメージは変化するかもしれません。流れにまかせながら言葉をつむいでみましょう。

 

3.フェルトセンスを認める

あなたが感じとったフェルトセンスに話かけてみる。フェルトセンスの存在を認め、受け入れます。

フェルトセンスに話しかける行為は、問題を自分の「相手」とし、外在化する第一歩。

「こんにちわ」「そこにいたんですね」など、なんでもよいです。声にだしてフェルトセンスに語り掛けてみましょう。

なにかしらの返答があるかもしれないし、ないかもしれません。いずれにしてもフェルトセンスにアクセスできたのは、問題解決にむけた前進です。

 

フェルトセンスに教えてもらおう

フェルトセンスに教えてもらおう

あなたが成長するためのヒントをもたらすのがフェルトセンス。十分に実感できたフェルトセンスと対話をしてみましょう。

対話をためらう意識があれば、いったん中断してもかまいません。なんどもアクセスを繰り返すうちに抵抗が少なくなっていきます。

「あなたは、わたしになにを教えようとしている?」

「いまの問題を解決したら、あなたはどうなる?」

「わたしはどうやって選択をしたらよい?」

フェルトセンスに意識を集中します。言葉やイメージでの回答があるかもしれませんし、ないかもしれません。むしろ、すぐに明確な回答はないととらえておきましょう。

「よき友」になり、出会いを繰り返すと、いずれあなたに最良のヒントをあたえてくれるのがフェルトセンス。しっかりと感謝を伝えてフォーカシングを終了します。

 

フェルトセンスまとめ

フェルトセンスとはどういったものか、フォーカシングをつうじてフェルトセンスをとらえ、アクセスする方法などをお伝えしました。

あなたの身体のなかにある「なにか」がフェルトセンス。言葉として的確にとらえて意味を探ります。探索はすこし時間を要すかもしれません。

色やかたち、重さや音など、あなたの感じるままに言葉で表現してみる。言葉と「なにか」を一致させてみましょう。

フェルトセンスに話かけてみます。すぐに回答はないかもしれませんが、あなたにとっては問題の解決にむけたヒントがえられるはずです。

フォーカシングにとりくむあなたのキッカケと、ヒントになればうれしいです!

【お問い合わせ】

自己洞察瞑想療法(SIMT: Self Insight Meditation Therapy)

Post by @moto.mako
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