メタ認知とは【意味や高い人の特徴3つ】トレーニングで鍛える

メタ認知トレーニング 心理

にかと気配りがきいて、一緒に働いていて気持ちがいい。

そんな人に共通している能力が「メタ認知」です。メタ認知とは、自分の認知活動を客観的にとらえるひとつの能力であり、認知心理学の分野として活用が広がっています。

今回は、教育やビジネスでも注目をあつめるメタ認知を解説していきます。メタ認知の意味や、トレーニング方法などもお伝えしていきましょう!

メタ認知の重要性

メタ認知の重要性

「メタ認知」とは、自分の認知そのものを認知した時点から結果まで、すべてを自分自身で把握する能力。

つまり自分が能動的におこなっている行為や言動を、みずから客観的に調整・調和する能力をいいます。

現代において「メタ認知」能力が重要とされるのはなぜでしょうか。

1.メタ認知が働かないとどうなる?

自分だけの思考に終始してしまい、自分と他人との違いもわからず、人との関係を築けません。

メタ認知が働かないと、状況を客観化できないため、相手の立場を考えずに一方的な発言をしてしまいます。

適切な協働ができず、自己評価は低いまま。成長への意欲も湧きにくくなるでしょう。

「マイナスに考えてしまう自分」を理解はしていますが、その思考は他人とは関係ないととらえ、自身の行動やふるまいが修正できません。

それどころか「まわりは自分をわかってくれない」といった、一方的な不満をあらわにする場合も。

メタ認知が働かないと、みずからの成長を断ってしまったり、人に迷惑をかけてしまったりする可能性があります。

 

2.変化の激しい時代を乗り越える

メタ認知を働かせる能力が、変化の激しい時代を乗り越えるためのカギとなります。時代に応じた思考のアップデートに必須なのがメタ認知。

AIの普及や社会情勢の急激な変化のなかで生きるには、自分自身も変化し続ける姿勢が大切です。

ビジネスだけにとどまらず、わたしたちの生活ひとつひとつにも冷静な判断ができるかどうか。そのために必要な能力として注目されているのがメタ認知です。

柔軟な思考をもたらすスキルのひとつととらえましょう。

 

メタ認知が高い人の特徴

メタ認知が高い人の特徴

良好な人間関係や適切な判断、成長速度のある人は、おおむね「メタ認知が高い」です。

メタ認知能力を高めると身につくスキルとはいったいどのようなものなのでしょうか。

  1. 周囲との関係が良好
  2. 冷静にものごとを判断できる
  3. 柔軟性があり成長が早い

1.周囲との関係が良好

メタ認知能力の高い人とは、人との距離感が適切であり人間関係が良好にたもてる人です。

仕事においてもリーダーシップを発揮できるため、多くの信頼をあつめます。

もちろんすべて的確な判断ができるわけではありません。しかし、周囲との協調がとても上手であり、いずれはよい方向にチームを導いていける人。

他人に対して配慮できる能力は、メタ認知による部分が大きいです。

 

2.冷静にものごとを判断できる

自分の感情を認識できているため、冷静にものごとに対処できるのがメタ認知能力の高い人。

自分自身を客観的にみつめて、感情をしっかりとマネジメントできるため、私情に左右されません。

仕事上のトラブルやタスクに対しても、大局的に状況をとらえ落ち着いて処理ができるでしょう。

なにより困難な状況を乗り越える人に、必要な要素が「メタ認知」です。

 

3.柔軟性があり成長が早い

メタ認知能力が高いと、自分でしっかりと責任をとる思考が育ち、成長が早い。そして、前向きで柔軟な思考の持ち主です。

仕事や日常生活すべてが自分のタスクととらえ、なにかにつまずいても自分の責任として解決につとめるでしょう。

よい意味で、すべてに自責思考であるがゆえ、自分の人生をおおいに楽しめます。あわせてビジョンが明確。前向きで柔軟な思考が身についている人です。

メタ認知能力の高い人は、あたらしい環境でもすぐに適応していけます。

 

メタ認知を高めるトレーニング

メタ認知を高めるトレーニング

自分の傾向を知る、自己認知が無理なくできるトレーニング方法。メタ認知を高めるにはどうしたらよいでしょうか。

メタ認知能力の向上「メタ認知トレーニング(MCT)」は、ドイツのハンブルグ大学などで研究が進められています。

セルフモニタリングとコントロールの視点をお伝えしていきます。

1.メタ認知的モニタリング

モニタリングとは「評価」であり、自分の行動特性や長所・短所を自分自身で客観的にとらえて確認していく作業です。

メタ認知を鍛えるトレーニングのひとつが自己のモニタリング。自分を客観できる能力とは、「メタ認知能力」そのもの。

まず自分に沸き上がった感情を分析してみましょう。そのときの出来事と関連づけて「なにが原因の感情か」を冷静に自分へ問いかけてみましょう。

完全には難しいですが、自分の心の動きを注意深く観察する。自分の行動や判断を含め、客観的分析を加える作業がメタ認知的モニタリングです。

 

2.メタ認知的コントロール

メタ認知的モニタリングをもとに、自身の行動や思考をコントロールできると、よりメタ認知能力が向上します。

メタ認知の強化が、状況をポジティブに転換する能力をもたらすでしょう。

ネガティブ感情やバイアスがうまれた要因がモニタリングできたなら、次は要因を避けたり除いたり、思考を変えるなどの自己コントロールを意識してみる。

ものごとを多角的にとらえて柔軟に考える能力・視点を身につけるためには、メタ認知的コントロールをもちいると、どのような場面でも再現できます。

メタ認知を養う訓練をつうじて、思考や行動をコントロールする技術を身につけましょう。

 

メタ認知まとめ

「認知しているのを認知する」のがメタ認知の働きです。

メタ認知を高めると自分自身を冷静に見つめられるため、課題解決や目標達成がスムーズにいきやすくなる点もお伝えしてきましたね。

セルフモニタリングをもとに自分をコントロールしていく意識、日常の心がけがメタ認知能力を高めるトレーニングになります。

豊かな人生を生きる手がかりとなればうれしいです!

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