場面緘黙症とは?原因と症状、改善のための5つのポイント

場面緘黙症とは?原因と症状、改善のための5つのポイント 心理

面緘黙症は、特定の場面で話せなくなる精神障害。原因は遺伝的要因、気質的要因、環境要因、神経発達的要因などが複合的にかかわっていると考えられています。

つねに話せないのではなく、ある特定の場面で話せなくなるのが特徴です。認知行動療法や薬物療法などの治療法を含め、改善のポイントをお伝えします。

場面緘黙症とは?

場面緘黙とは、特定の場所・状況において話せなくなる状態を指します。不安症と同様に、適切な支援が重要です。

1.場面緘黙症とはどのような症状なのか

1.場面緘黙症とはどのような症状なのか

「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」とは、特定の社交場面や状況で話せなくなる症状です。場面緘黙症の主な症状は、ふだんとは別の、ある特定の場面で会話を求められる社交場面で話せなくなります。場面緘黙症の診断には、以下の基準があります。

  • 他の状況で話しているにも関わらず、会話を交わすのが期待されている特定の社会的状況において、「話す」能力が失われ、一貫して話せません。
  • 場面緘黙症が、学業上、職業上の成績、または対人的コミュニケーションを妨げています。
  • 場面緘黙症の持続期間は、少なくとも1ヵ月以上です。なかには成人期にわたる長期の発症もめずらしくありません。
  • 話せないのは、その社会的状況で要求される話し言葉の知識不足、または会話そのものに関する楽しさが不足しているわけでありません。

 

2.場面緘黙症とはどのような原因があるのか

場面緘黙症は、不安になりやすい気質に加えて、社会的・文化的・心理的な要因が複合的に関与しあうと発症すると考えられています。

具体的には、過去のトラウマやストレス、人間関係の問題、自己肯定感の低さなどが原因としてあげられるでしょう。

 

3.場面緘黙症とはどのような人に多いのか

場面緘黙症の発生率は、0.2%から0.5%で男子よりも女子に多いといわれます。海外での発生率は、0.7%と日本よりも高いです。

過去のトラウマやストレス、人間関係の問題、自己肯定感の低さなどが原因となります。

 

場面緘黙症の診断方法とは

場面緘黙症の診断は、アメリカの精神医学会(APA)によって定められた「DSM-5」が基準です。

簡易的には、かんもくネットさんが作った質問票である『SMQ-R (場面緘黙質問票)』を利用する方法があります。

1.場面緘黙症を早期発見する方法とは

場面緘黙症のチェックリストを利用する簡易的な方法では、NHKが提供する「かんもくネット」にある「SMQ-R(場面緘黙質問票)」という質問票が利用できます。

この質問票は、場面緘黙症の診断に用いられるもので、保護者や教師が子どもの場面緘黙症を早期に発見するために利用されます。

場面緘黙 | かんもくネット
かんもくネットは、場面緘黙の症状がある子どもや大人、経験者、家族、教師、専門家が協力しあい、活発な情報交換と正しい理解促進を目指します。

場面緘黙症は、臨床心理士や公認心理師が専門的な調査をおこない、最終的には専門的な精神科医によって診断します。

場面緘黙症の症状が見られた場合は、早めに精神科および診療内科等の医療機関に相談してみましょう。

 

2.場面緘黙症を治すために必要な環境

場面緘黙症は、社交不安障害の一種であり、社会的場面で話せなくなる症状です。

場面緘黙症を治すためには、認知行動療法(小児に対しては遊戯療法)といった治療方法を取り入れ、社会的場面において自信を持って話ができるように促します。

また、社会的な環境において本人が感じる不安を軽減していける対策を立てていく意識が重要です。本人だけでなく、親御さんや学校の先生と連携しながら、職場の人にも理解をしてもらう支援が必要になります。

 

場面緘黙症に対する対処法

場面緘黙症は、行動療法的アプローチが最も効果的とされています。不安が低い場面からスモールステップで発話ができる場面を増やしていく方法。

症状によっては、抗うつ剤などによる薬物療法が用いられます。

1.場面緘黙症に対する対処法とは

1.場面緘黙症に対する対処法とは

場面緘黙症は、特定の場面で話せなくなる症状。場面緘黙症に対する対処法としては、行動療法的アプローチが最も効果的とされています。

不安が低い場面からスモールステップでチャレンジを進め、活動参加、動作、発話ができる場面を増やしていく方法です。

また、場面緘黙症の不安症状を軽減するために、抗うつ剤などによる薬物療法が用いられる場合があります。ただし、薬物療法そのもので場面緘黙症が治るわけではありません。

ほかには、M-GTAという修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチがあります。この手法は、場面緘黙の経験者に対して、自己開示や自己表現を促しながら、社会適応を改善するのを目的としています。

 

2.場面緘黙症を改善するポイント

場面緘黙症を改善するための5つのポイントがあります。

  1. 心理療法としての『エクスポージャー法(段階的暴露療法)』や『イニシエーション法』、『刺激フェイディング法』の有効性が示されている。
  2. 認知行動療法(CBT)を用いた治療が有効である。
  3. 薬物療法は、場面緘黙症そのものの治療には有効性がない。
  4. 運動やスポーツに取り組み、ストレスを解消し、自信をつけるのが改善の近道。
  5. 呼吸法やリラックス法などのリラックス方法を身につけると、自律神経のバランスを整えやすくなる。

 

場面緘黙症まとめ

場面緘黙とは、特定の場所・状況において話せなくなる状態です。不安症と同様に、適切な支援が重要です。場面緘黙症に対しては、自己開示や自己表現を促す手法が有効。支援には、家族や学校、専門家などが含まれます。適切な支援を提供すると社会適応を改善できるでしょう。

場面緘黙症の克服には、具体的には、以下が必要です。

  • スモールステップでチャレンジを進める
  • 活動参加、動作、発話ができる場面を増やす
  • 不安が低い場面から始める
  • 周囲の理解と協力

場面緘黙症かもしれない不安解消の参考になればうれしいです!

コメント